できることできないこと

自己嫌悪スパイラル - (旧姓)タケルンバ卿日記避難所
これを読んで、↓これを思い出した

仕事としてこのような方と関わっていく場合の心構えなど

特にこの【1551】のような方と関わる場合に限りませんが、精神疾患にかかわる仕事を始められる場合にひとつ大切なことは、

できることとできないことの区別をつける

ということが挙げられると思います。
 精神疾患に対しては一般には偏見がまだまだありますが、その一方で、非現実的な希望もしばしば語られています(【0075】などもご参照ください)。たとえばこの【1551】のような人 (60歳代の男性) に対し、その人の気持ちになって真摯にかかわればわかってもらえるというかの如きものです。そのような綺麗ごとは事実ではなく、事実は上の回答のとおり、「最終的には逃げるしかない」というものです。仕事としてかかわる場合も同じとお考えください。

医師でも精神保健福祉士でもあるいは他の職種でも同じですが、非常に真面目で意欲にあふれた新人の方が、努力が報われなかったり、それどころか手を差し伸べた相手に裏切られるような体験をし、疲弊したり失望したりして、結局は舞台を去って行くというのもありがちなことです。ぜひ現実を直視するとともに、できることとできないことの区別をつけるという姿勢を持ってください。それが結局は多くの患者さんのためになることです。
【1551】バス停で泥棒よばわりされ怖い思いをしました

自分にできることは何か、できないことは何か。できるはずのないこと(物理的に不可能なものだけじゃなくて)を「自分にはできるはず」「できないのは努力が足りないせい」と捉えることは自己否定というか自己嫌悪につながっていく。

ちなみに、タケルンバさんの指摘は、それを改めて明らかにするとともに、「負のスパイラル」っていうけど、それぞれの事象はつながっていなくて、つなげているのは自分自身なんだ、ということも明らかにしていて、これがすごく新鮮だった。