呼び名 ーノーベル賞受賞者とオケの先生

昨日NHKノーベル賞に関するテレビをやっていた。スタジオには小林・益川両博士のほかに司会者、タレント、学生が座っていた。また、VTRで南部博士と下村博士も出演された。
スタジオに居る人から下村博士へのQというコーナーでは、

  • 努力しているつもりなのですがうまくいきません。どうしたらいいでしょう。 という質問に対し、
  • それは努力が足りないのでしょう。

と一刀両断されるすばらしさだった。(この後の「独創的な実験を行うコツを教えてください」というQに対し「これはずるいですね」と仰りながら「あらゆる方法を試し、うまくいったものが独創的なのです」という回答をされたのも素晴らしかった。)
というTVの翌日の本日。NBOnlineにこんな記事が載っていた。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20081226/181406/?P=1
これを読むと、今回のノーベル賞受賞者の素晴らしさがよく分かる。テレビを見ていても、それぞれにユーモアがあり、両親ともに「今回の人たちはいいねぇ、好きになるねぇ」と話していたが、NBOnlineの記事を読んでさらに好きになった。長いけれど読みやすい文章なので一読されることをお勧めする。

さて、昨日テレビをみていて気になったのだけど、NHKの人たちはノーベル賞受賞者の方々をそれぞれ「〜さん」と呼んでいた。それに対し、受賞者の方々は互いを「〜先生」と呼んでいた。NHKの人たちになんとなーく違和感を覚えたけれど、これはこれでノーベル賞を身近に感じさせるNHKの演出だったのかもしれない。
私はオーケストラに入ってそろそろ3年だか4年だかになる。初めて見学に行った時、オケの人たちが指揮者を「〜先生」と呼んでいるのに違和感を覚えた。たとえば大友直人なら「大友先生」、でもそのときの私にとっての大友直人は「大友さん」だった。
けれど、オケを続けていて(周りがみんな「〜先生」と呼ぶこともあると思うが)それぞれの指揮者はやはりそれぞれにすごい、先達であり、先生であることをしみじみ感じると、もう「〜先生」でないことのほうに違和感を感じるようになった。どんだけ酔っ払って女子を口説こうと、先生は先生である。けど、母なんかはやっぱり「〜さん」と呼んでいる。
益川・小林両博士にとってはやはり南部博士は「南部先生」だったのであろう。それが感覚としてよくわかった。