派遣で切られるのは自己責任か

goo × Voiceの対論が載っていた。
派遣切り・ロスジェネを見捨てるツケ(上)(gooニュース) - goo ニュース
派遣側の立場からの論者は国際大学GLOCOM客員研究員の楠正憲氏。1977年生まれということは、今31歳か。いわゆる就職氷河期のど真ん中の世代と思われる。そもそも正社員のいすはなく派遣に甘んじることしかできなかった人たちに自己責任を問うことはできないだろうという論。
http://news.goo.ne.jp/article/php/business/php-20090216-04.html?C=S
対する企業側に立つ論者は人材派遣会社ザ・アール社長の奥谷禮子氏。お前が言うかってのはおいて置いて、働き方が多様になってきたのと働く意識が多様になってきたことは軌を一つにするとして、派遣の人たちは自ら派遣を選んできたという論を展開している。

派遣社員であることを選んできた(派遣社員であり続けてきた)人が文句を言うのも間違っているし、
正社員になろうとしてもなれず派遣社員でいるしかなかった人を切り捨てることもいけない、ということだろう。
「あの人はできたんだからあなただってできるはずだ、できないのは怠けているからだ」とする人もいて(それが奥谷氏だが)こういう人は「できるはずのこと」を大きく捕らえすぎだなぁと感じる。他方で、「どうしてもできなかったんだ、そういう若者を捨てるような社会に未来はない」とする楠氏は可能性を狭めて取りすぎという気もする。要するに、甘んじた系の人も、選べなかった系の人もいるだろうから一概にどうとは言えず、派遣であることしか選べなかった人だけを救済するということも非常に難しいのだろうと思う。天網恢恢だが人間が作るセーフティネットには上限があるのだろう。

となったときに、多めに掬い取るのが政府の義務とも思うが、甘やかすことが(元)派遣のためにはならないとする奥谷氏の話もあるし、最低限の衣食住は保障すべきとする論もある。この辺はできるレベルでできることをやる、しかないんだと思う。財源となる正社員側だっていっぱいいっぱいの人もたくさんいるし、何もしてないのにお金がうなってるような人もいて、そこから段差をつけて徴税することだって限度がある。

(これは余談だが)政府は万能じゃない、人間は万能じゃない、だからどこまでできるかを明確にして実行するだけなのに選挙のことしか考えてないから政府はいやになる。

なんかまとまらない。結論は出ていないけど、とにかく思ったのは、一元論でも二元論でもこの話は解決しないだろうってこと。難しい問題だよ、人間誰だって自分の既得権益は守りたいもの。