死にたいと思う人に

http://diamond.jp/series/izumiya/10011/
つらい気持ちを打ち明けたら予想外の返信が返ってきて、
この人は分かってくれない、もう言うのはよして元気に振舞おうとする

そうして「死にたい」がどこにも言えないような状況がつくられてしまった場合にこそ、最も自殺の危険が高まってしまうことになります。

ですから、「面倒くさい」「さぼりたい」「今日は調子が悪い」「ずっと休んでいられたらどんなに楽だろう」といった正直な発言が自然体でできるような方向にむけて、医療側も周囲の人間もサポートしていくことが大切なのです。

マイナスのことを吐露できるということはとても大事だということ
アサーションの講座を受けていて思ったけど、でも、「イヤだ」ということを表明することはとても難しいのだということ

できることできないこと

自己嫌悪スパイラル - (旧姓)タケルンバ卿日記避難所
これを読んで、↓これを思い出した

仕事としてこのような方と関わっていく場合の心構えなど

特にこの【1551】のような方と関わる場合に限りませんが、精神疾患にかかわる仕事を始められる場合にひとつ大切なことは、

できることとできないことの区別をつける

ということが挙げられると思います。
 精神疾患に対しては一般には偏見がまだまだありますが、その一方で、非現実的な希望もしばしば語られています(【0075】などもご参照ください)。たとえばこの【1551】のような人 (60歳代の男性) に対し、その人の気持ちになって真摯にかかわればわかってもらえるというかの如きものです。そのような綺麗ごとは事実ではなく、事実は上の回答のとおり、「最終的には逃げるしかない」というものです。仕事としてかかわる場合も同じとお考えください。

医師でも精神保健福祉士でもあるいは他の職種でも同じですが、非常に真面目で意欲にあふれた新人の方が、努力が報われなかったり、それどころか手を差し伸べた相手に裏切られるような体験をし、疲弊したり失望したりして、結局は舞台を去って行くというのもありがちなことです。ぜひ現実を直視するとともに、できることとできないことの区別をつけるという姿勢を持ってください。それが結局は多くの患者さんのためになることです。
【1551】バス停で泥棒よばわりされ怖い思いをしました

自分にできることは何か、できないことは何か。できるはずのないこと(物理的に不可能なものだけじゃなくて)を「自分にはできるはず」「できないのは努力が足りないせい」と捉えることは自己否定というか自己嫌悪につながっていく。

ちなみに、タケルンバさんの指摘は、それを改めて明らかにするとともに、「負のスパイラル」っていうけど、それぞれの事象はつながっていなくて、つなげているのは自分自身なんだ、ということも明らかにしていて、これがすごく新鮮だった。

メディアが不況を拡大している

http://business.nikkeibp.co.jp/article/tech/20090213/185992/
実際問題、これはかなり思っていたことだった。「ニュースは不況不況というけれど、別に給料も変わっていないし相変わらず仕事は忙しいし、なにがどう不況なのだろう。ニュースはそう伝えてむしろ消費を冷え込ませたいのかしら」と考えていた。*1その疑問が少し解ける記事。

たしかに、そうだなぁ、と思いつつも、メディアの現場の人たちは、視聴者や読者が一番望むもの、つまり、一番売れるコンテンツ、一番視聴率が稼げる番組、のつくり手として、長年トレーニングを積んできたプロフェッショナルたちです。彼らが、自分の毎月の給料の源泉は俯瞰してみれば経済循環であることは十分わかっていても、目の前で評価されるのは、番組の視聴率であるのだから、その数字の向上という目標を必死に追いかけてしまうのもまた理解できます。

てことは、一番お馬鹿さんなのは、苦労している人の声を聞きたがる(不況にあえぐ人の声を喜んで聞いてチャンネルを合わせている)視聴者ということになるのか。実際週刊誌のゴシップ記事は下世話だと思っていたけれど、需要があるから供給があるんだってことになるものね。それと同じか。じゃぁ視聴者の側が気持ちを変えなきゃ。そういう話になってくる。

しかし、これはメディア側の意見(言い訳と言ってもいい)なのだろう、とも思う。メディアは視聴率で評価されるが、たとえばまさに不況にあえぐ自動車業界や電機業界から多額のCM料を受けとっている。自分たちのスポンサーに媚びるような番組作りをしてはいけないが、自分たちのやっていることがひいては自分たちの首を絞めているとも思う。(自らも多少なりとも加担した)不況によってテレビCMをやめる会社が出てきて、テレビ各社も減益だとか言っているのだから、その循環を少しは考えればよいのに、という気がする。(これは私も須田氏に同調するところだが)なんだかんだいってテレビの影響力はとても大きいのだから、違う使い方を考えればいいと思うのだ。発信するものを変えて、単に視聴者の(下世話な/黒い気持ちの)ニーズに応えるだけではなくて、良い製品を伝えるとか、明るい情報をもっと伝えるとか、いたずらに不安を煽るだけではいけないだろうと思うのだ。

もう少しモラル的なことを言えば、テレビを公共財と考え、発信している対象=めぐりめぐって自分たちに益を与える存在 と思えば、(黒い)ニーズから離れたことをして視聴率を下げたとしても、「良質な情報」を送り続けるべきだろうと思う。その黒いニーズを開放することが、「成功者がこそこそしなくてもいい社会」を作るための一つのキーになるような気がする。まぁ、日本は昔から「出る杭は打たれる」っていうから、文化的に無理なのかな。
おまけ。
http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/tv/20071113et03.htm

*1:確かに年が明けてから少し仕事減ったけどね。12月は生活の中で不況を感じることは(ありがたいことに)正直まったくなかった

派遣で切られるのは自己責任か

goo × Voiceの対論が載っていた。
派遣切り・ロスジェネを見捨てるツケ(上)(gooニュース) - goo ニュース
派遣側の立場からの論者は国際大学GLOCOM客員研究員の楠正憲氏。1977年生まれということは、今31歳か。いわゆる就職氷河期のど真ん中の世代と思われる。そもそも正社員のいすはなく派遣に甘んじることしかできなかった人たちに自己責任を問うことはできないだろうという論。
http://news.goo.ne.jp/article/php/business/php-20090216-04.html?C=S
対する企業側に立つ論者は人材派遣会社ザ・アール社長の奥谷禮子氏。お前が言うかってのはおいて置いて、働き方が多様になってきたのと働く意識が多様になってきたことは軌を一つにするとして、派遣の人たちは自ら派遣を選んできたという論を展開している。

派遣社員であることを選んできた(派遣社員であり続けてきた)人が文句を言うのも間違っているし、
正社員になろうとしてもなれず派遣社員でいるしかなかった人を切り捨てることもいけない、ということだろう。
「あの人はできたんだからあなただってできるはずだ、できないのは怠けているからだ」とする人もいて(それが奥谷氏だが)こういう人は「できるはずのこと」を大きく捕らえすぎだなぁと感じる。他方で、「どうしてもできなかったんだ、そういう若者を捨てるような社会に未来はない」とする楠氏は可能性を狭めて取りすぎという気もする。要するに、甘んじた系の人も、選べなかった系の人もいるだろうから一概にどうとは言えず、派遣であることしか選べなかった人だけを救済するということも非常に難しいのだろうと思う。天網恢恢だが人間が作るセーフティネットには上限があるのだろう。

となったときに、多めに掬い取るのが政府の義務とも思うが、甘やかすことが(元)派遣のためにはならないとする奥谷氏の話もあるし、最低限の衣食住は保障すべきとする論もある。この辺はできるレベルでできることをやる、しかないんだと思う。財源となる正社員側だっていっぱいいっぱいの人もたくさんいるし、何もしてないのにお金がうなってるような人もいて、そこから段差をつけて徴税することだって限度がある。

(これは余談だが)政府は万能じゃない、人間は万能じゃない、だからどこまでできるかを明確にして実行するだけなのに選挙のことしか考えてないから政府はいやになる。

なんかまとまらない。結論は出ていないけど、とにかく思ったのは、一元論でも二元論でもこの話は解決しないだろうってこと。難しい問題だよ、人間誰だって自分の既得権益は守りたいもの。

楽しそうな元彼女、許せない

http://www.yomiuri.co.jp/jinsei/shinshin/20090204-OYT8T00228.htm
何がすごいって、この相談者に高橋秀実を持ってきたセンスだと思う。高橋秀実といえば、実はR25に「結論はまた来週」を隔週で載せていて、読者を突き放すような感じが大変好きだったのである。というわけで読者すら突き放す高橋さんが人生相談である。いいねぇ。wktkしながら読んだ。
相談内容は、彼女の浮気が原因で別れて1年半、こちらは精神的に不安定になり、体調も崩し…と(彼女のせいで)さんざんな思いをしているのに、向こうは新しい彼氏もできて仕事も順調で幸せそうで許せない、と。
回答は、「女性からすれば「別れた男のしょぼくれた姿」は大好物」と言い切って*1、だから自分が輝くしかない、その上で「そして彼女が近寄ってきたら、ヨン様のように胸に手を当てて「どちら様でしたか?」と首を傾(かし)げてやりましょう。」という。なんつーか、相談者馬鹿にしてるだろwというか、けっこうこれは正論なのだけど、相談者は馬鹿にされているように感じるだろうなぁ。最後に、「もし無理だと思うようでしたら、彼女のことはもう許してあげたらいかがでしょうか。」という。適当に突き放す回答者はこれまであまりいなかったから、(過度に突き放すか親身になるか、だった気がする)むしろ高橋さんの今後がさらに楽しみになったのでした。

人生案内はほぼ毎日チェックしているのだが、だいたいは「あぁ、回答者は正しいことを言っていて、たぶんそのとおりにすると悩みはある程度解消するだろうなぁ、でも相談者には理解できないだろうなぁ」というふうに(若干上から目線の)感想を持つことが多い。渦中の当人にはわからないけど立場が変われば理解できるというやつ。ゲームもやってる当人より周りのほうがよくわかるってやつに似てる。
というわけで、下記の相談は私には理解できなかった。回答を読んでも「それじゃなんの解決にもならないんだYO!!1!」と思ってしまって、まったく先が見えない。5年後になるとまた違う感想を持つのだろうな(というかもっていたいな)と思う。
http://www.yomiuri.co.jp/jinsei/shinshin/20090203-OYT8T00205.htm

*1:実際これは本当だと思う。ソースは私。

中国の話

http://diamond.jp/series/analysis/10062/
もうひとつダイヤモンドオンラインから。中国で天洋食品が製造した餃子が横流しされ、それで中毒者が出たというニュースに絡めて、中国の食に関する安全管理のなさを伝える記事。

ある役人が養豚農家を見学した際、その農家では、豚の毛並みや肉づきをよくするため、発ガン性のある添加物を飼育に使っていることが判明した。農民は「この豚の肉は色つやがよいので、わざわざ都会の人のために育てています。パッとしない豚はわしらが食べるのです」と説明した。

 驚いた役人が、「この添加物が人体に有害なことを知らないのか?」と問い質したところ、農民は「知っていますよ。だけど都会の人は医療費を払えるんだから大丈夫でしょ」と、平然とした顔で答えたという。

こえー。どんだけ格差社会。というか格差社会だからといってこれはひどい